#10:びっくりするくらい嬉しいもの【朝丘大介】
ノルウェーの人気バンド a-haのCDに封入されていた特典。
ファンの質問にメンバーが答えるという企画で こんな問答があった。
質問 : いままでに世界中のファンから送られたプレゼントで一番驚いたものは何ですか?
回答 : びっくりするくらい嬉しいものをもらったことが何回かあるよ。
知らない人のために解説しておくと、a-haは ヨーロッパを中心に絶大な人気を誇るバンドである。
一公演で19万5千人の観客を動員し、一時期ギネスブックに載ったこともある。
富、名声、名誉、そして幸せな家庭。
欲しいものは、ほぼ手中に収めているといえるだろう。
では、そのa-haのメンバーをも唸らせる 〝 びっくりするくらい嬉しいもの 〟 とは、一体なんなのだろうか。
一生左うちわで暮らせる立場なのだ。
ハリウッドスターには、月に二百万円ぶんもの服を買い込んだり、
自家用機を購入する者もいるらしいが、その気になれば、そういったことも可能だろう。
かつて故アントニオ猪木氏が南国の王様から島をもらい、〝 イノキアイランド と名づけたことがあるが、
a-haのメンバーなら、さらにでかい島地を手中にできるかもしれない。
プレゼントが物とは限らない。
ファンのあたたかい声援。これは何度もらっても 嬉しいはずだ。
ただ、〝 びっくりするくらい嬉しいもの 〟とは すこし異なる気がする。
ミュージシャンだから、ビートルズの大ヒットしそうな未発表曲の著作権だったらどうだろうか。
自分たちで曲をつくるクリエイティブなプロセスがなければ、いい曲を手に入れても うなずけないかもしれない。
この話をある知人にしたら、 こんな意見がでた。
「 その国でしかとれない特産物とかは? 」
なるほど。 それはあり得る。
「 日本へ行ったら、 コ-べビーフ ( 神戸牛 ) を食べたい 」 という海外のスターも少なくはない、みたいな記事をどこかで読んだことがある。
スーパースターといえど、その国でしか食べられない美食だったら、相当嬉しいにちがいない。
でも、〝 びっくりするくらい嬉しいもの 〟 って、 ほんとうに何なのだろう。
